「収納グッズを買い足しても片付かない」——よくある相談
知恵袋のようなQ&Aサイトを見ていると、この手の相談は驚くほど多く見つかります。たとえば、次のような声です。
収納グッズを買い足しても、逆にモノが増えた気がします。
収納場所を決めていないのに物が溢れていて片付けできません。
どちらも「収納グッズを増やす」という行動そのものは間違っていません。問題は、その前提や順番にあります。この2つの相談には、実は共通した構造的な原因があります。
なぜ収納グッズを増やしても片付かないのか
理由1: 収納グッズは「入れ物」を増やすだけで、モノの総量は変わらない
収納ケースを1つ買い足すということは、単純に言えば「モノを入れる箱がもう1つ増える」ということです。箱が増えれば、その分だけ一時的に見た目はすっきりします。しかし、家にあるモノの総量そのものが減るわけではありません。
むしろ「収納スペースが空いた」という安心感から、次の買い物や物のもらい物を受け入れやすくなり、結果として家全体のモノの量がじわじわ増えていく——という流れは、片付けの現場でよく指摘される傾向です。これはあくまで一般的に指摘されやすい傾向であり、すべての人に当てはまると断定するものではありません。
理由2: 「収める場所」を決めないまま収納グッズだけを増やしている
もう一つの相談にあった「収納場所を決めていないのに物が溢れている」という状態は、収納グッズの数の問題ではなく、「何をどこに置くか」というルールが決まっていないことが原因になっているケースが多く見られます。
収納ケースを買っても、その中に何を入れるか・どこに置くかが決まっていなければ、結局「とりあえず空いているところに詰め込む」状態になりがちです。これでは、収納グッズをいくら増やしても同じことの繰り返しになってしまいます。
理由3: モノを減らす・分類する工程を飛ばして「収納」から始めてしまう
片付けの基本的な流れは、本来「出す→分ける(要る・要らないを判断する)→しまう」の順番です。ところが、収納グッズを買い足すという行動は、この流れの最後の「しまう」だけを先に強化してしまう行動でもあります。
分類の工程を飛ばしたまま収納グッズだけを足しても、「なんとなく要らない気がするけど、収納ケースがあるからとりあえずしまっておく」という判断になりやすく、結果的にモノは減らないままケースの数だけが増えていきます。
つまり、「グッズを増やす」より先にやることがある
ここまで見てきたように、片付かない原因の多くは「収納グッズの数」そのものより、モノの置き場所を決めるルール(定位置管理)や、モノを減らす・分類するプロセスを飛ばしていることにあります。
これは特別なセンスや才能の話ではなく、誰でも知っておけば実践できる「型」の話です。次の記事では、収納グッズを買い足す前に確認しておきたい基本ルール——特に「定位置管理」という考え方——を具体的な手順とともに紹介しています。
まとめ
- 収納グッズを買い足しても、モノの総量そのものは減らない。
- 「収納場所を決めていない」状態のまま収納グッズを増やすと、同じ散らかり方を繰り返しやすい。
- 「出す→分ける→しまう」という基本の流れを飛ばして「しまう」だけを強化すると、モノは減らないままになりやすい。
- まずは収納グッズを増やす前に、定位置管理などの基本ルールを一度見直すことをおすすめします。
なお、この記事で紹介した内容はあくまで一般的に指摘されやすい傾向の整理であり、「これをすれば絶対に片付く」といった効果を保証するものではありません。人によって住環境やモノの量、生活スタイルは異なります。ご自身の状況に合わせて、無理のない範囲で参考にしてください。